半導体国際分業体制に変化は起きるのか 小米は中国半導体企業に投資加速という


中国 小米(シャオミ)が、中国半導体企業への投資を加速させていると日本経済新聞が報じる。
それによれば、2019年以降で少なくとも34社を買収したり出資比率を引き上げたりしているという。

小米、中国半導体に出資 34社に拡大 米依存度下げ狙う (日本経済新聞)

シャオミが出資した半導体関連企業には、無線通信用の半導体を開発する恒玄科技や、人工知能(AI)用半導体開発の北京晶視智能科技などがある。
米インテルなど、米国勢が先行する分野で成長する中国企業への投資が目立つ。米企業の技術や製品への依存度を下げ、スマートフォン部品の安定的な調達につなげようとするシャオミの狙いが透ける。 (出所:日本経済新聞)


日本経済新聞によれば、アリババ集団やネット検索大手の百度(バイドゥ)も独自のAI半導体を開発するなど半導体分野に力を入れているという。






電機、そして、その構成部品である半導体は「国際分業」が進み、垂直統合、開発設計から製造まで一気通貫に対応する企業は数えるほどになってしまった。

ロイターによれば、SIA 米半導体工業会が、世界の半導体サプライチェーン(調達供給網)は各種サプライヤーが特定地域に集中しているため、自然災害や地政学的な混乱に対する脆弱性が一段と強まっていると警鐘を鳴らしたという。

世界の半導体供給網、各部分の特定地域集中で脆弱性増大=SIA (ロイター)

最先端半導体を設計する知的財産とソフトを支配しているのは米国で、半導体製造に欠かせない特殊ガスは欧州。最先端半導体の製造は完全にアジアが担っており、中でも台湾がその92%を占める。
リポートは「台湾で半導体製造が1年できなくなれば、世界の電子機器産業は約5000億ドルの減収に見舞われる。世界の電子機器のサプライチェーンは機能を停止することになるだろう」と指摘した。 (出所:ロイター)


そんな中、TSMC 台湾積体電路製造が、半導体の生産能力を強化するため今後3年で1000億ドル(約11兆円)を投じる計画を明らかにしたとブルームバーグが伝える。旺盛な需要に対応するためだという。

台湾のTSMCが11兆円投資、今後3年で-半導体の生産能力強化 (ブルームバーグ)

それによれば、「持続的な方法で顧客のニーズに応じるため、顧客と緊密に協力している」という。
その投資先はどこになるのだろうか。





国内では、旭化成が、「半導体工場の復旧断念」とニュースイッチが報じる。

旭化成が半導体工場の復旧断念、サプライチェーンへの影響は? (ニュースイッチ)

旭化成は2020年10月の火災発生により操業停止している宮崎県延岡市の半導体工場の復旧を断念した。当面はルネサスエレクトロニクスなどへの生産委託でしのぎ、建て替えや他拠点での工場新設などを検討する。
そのルネサスも主力工場の火災で供給不安が広がっている。足元の半導体不足は特定メーカーへの生産集中に起因しており、自動車産業などを巻き込んだサプライチェーン(供給網)の脆弱性によるリスクが高まっている。 (出所:ニュースイッチ)


ニュースイッチによれば、旭化成は当面、他社での代替生産を続けるという。窮状を救ってもらった経緯から生産委託を即座に打ち切りにくい側面もあると指摘する。22年度以降をめどに新工場などの方向性を決める見込みだと伝える。
火災直後からルネサスへ協力を要請、那珂工場の200ミリメートルウエハーラインで代替生産しているという。その他にもセイコーエプソンなど競合へも生産を委託しているとみられるそうだ。こうした対応で、自動車メーカーなどの主要顧客に対する製品安定供給を確保しているという。
旭化成は報道を否定している。

不思議なものである。弱り目に祟り目というか、半導体不足が顕在化すると、米国では寒波で半導体工場が停止し、国内で相次いで工場火災が発生した。米中対立の激化で、中国は内製化に走り、台湾・韓国を主とした半導体生産体制に疑問符がつく。
この先、半導体の分業体制にどのような変化が生じるのであろうか。この機に乗じて、半導体王国復活の狼煙を上げることはできないのだろうか。

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